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【クローズアップ】自然換気シミュレーション (3)
WindPerfectによる自然換気シミュレーション
目的
高層ビルにおけるボイド(吹き抜け)や工場建屋などの換気に近年自然換気が多く用いられています。エネルギー消費を伴う機械換気よりもランニングコストが小さく、人に優しい換気が実現できると言われます。空間の規模を問わず積極的に自然換気を利用する建築は、国内でも海外でも急激に増加しています。
自然換気シミュレーションのポイント
自然換気の気流シミュレーションの再現は実は容易ではありません。通風解析は等温系での風力換気の事で自然換気解析とよく混同されますが両者は異なるものです。発熱による気流・温度分布を主に無風状態で予測して密度差換気を評価するのが自然換気解析で、空間内部の温度成層状態を再現するとともに、各開口の換気風量や中性帯位置の予測が肝要です。建物全体を3次元で解くことも珍しくありません。自然換気はうまく設計・運用すれば機械換気よりも大きな風量が得られますし居住域において均一な気流を作れます。エコで人に優しい換気と言われる所以です。空調や有風換気との組み合わせを検討する事で更に様々な建築のバリエーションを実現できます。