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自然換気シミュレーション (2)

今、必要とされる自然換気シミュレーション

自然換気システムはエネルギー消費を最小にして換気を取れるという大きなメリットがあります。 エコが指向される現代において理想のシステムと言えるでしょう。しかしその実現にはいくつかの条件をクリアする必要が有り単純ではありません。気流解析(CFD)を用いたシミュレーション手法は、効率的な自然換気のための開口の配置や熱負荷の分散、日射の処理などを短時間で合理的に検討する事が出来ます。弊社は1990年代から様々なタイプの建物の自然換気シミュレーションに携わってきた経験を基に、省エネと快適性を両立させるための、設計に役立つソリューションを提供します。

自然換気解析の難しさ

浮力評価
改良Boussinesq近似による正確な浮力計算と高さ方向の温度成層の再現.中性帯の予測.
換気・空調状況の再現
各開口毎の風量を正確に評価.無風・有風いずれの条件も対応可.空調条件も追加可能
正確な圧力損失計算・熱収支計算
陽解法による建物局所の流動抵抗を含む熱移流気流シミュレーションを実施.

自然換気解析適用の実態

換気装置の能力予測
有圧扇,ルーフファン,モニター,ガラリ,シャッター開口,循環ファン等の換気効果の把握
多くの著名物件での適用
競技場,ガレリア,ピロティ,ボイド構造物,駅舎,工場建屋,清掃工場,倉庫,機械室 など
様々な現象との組み合わせシミュレーション
PMV解析・結露解析,輻射解析・熱伝導解析,非定常解析・外部風解析 など

自然環境シミュレーション事例1 -鉄道駅舎

駅舎は空間が平面的に広く、改札など外部空気が入り込みやすい構造なので有効に空調しにくいとされる。 そのため夏季・中間季では自然換気で大きな換気風量を得ることが求められる。 本解析では典型的な橋上駅舎について、日射などの熱負荷で生成した温度成層を駅舎トップライト開口から排出する事により円滑な外気導入を行い、空間内の温 度上昇を抑えた例を示す。 下図は日射の取扱いを表しておりそれを用いて駅舎内居住域をより快適な環境としている。

日射熱取り扱い模式図

 

自然換気シミュレーション事例2 -アトリウム(大空間)- 

大空間において快適な温熱環境確保は必須である。 特に最近では空間の壁面・天井面にガラスが多く採用される。 そのため、空間の上部・下部に開口を設け空気の密度差を用いる換気方式が有効である。 本解析では、アトリウムのエントランスから流入する外気流を空間上部のダクト様の空間に誘導している状況を再現した。 その結果、空間上部に大きな熱だまりがあるものの、床面に近い居住域では快適な温度域が確保されている事が分かる。
  • アトリウム解析モデル パース
  • 日射熱取り扱い模式図

自然換気シミュレーション事例3 -清掃工場- 

清掃工場は空間内に焼却炉やボイラーなど表面が高温になる機器が多く配置され、その効果的な熱処理には自然換気方式を併用することが重要である。しかし多くの機器類や内壁面の表面温度再現やモニター・有圧扇などの換気装置の精密なモデル化が必要であり、最難度の自然換気問題である。本解析では、下部開口から天井開口に向かう気流ルートを確保しながら、炉体上部の点検歩廊近傍が作業可能な温度域になる事を検証している。

  • 断面温度分布

  • 表面温度分布

     

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