自然換気:外壁換気口と吹き抜けを持つ商業ビル

解析の詳細


      温度分布+速度ベクトル断面図


      温度表面貼り付けパース図


      圧力表面貼り付けパース図


      パーティクル粒子軌跡パース図

     2000年頃の大日本印刷ビルを皮切りに、各階毎に外壁に換気口を持つビルが増えてきました。夏季・中間季に空調負荷を低減させる目的で外気導入を行う狙いです。しかし、どの程度の大きさの換気ボイド(吹き抜け)とトップライト開口を設ければ良いかは、設計者が適切なノウハウを持っていない場合が多く、自治体庁舎などでは吹き抜けで適切な温度成層を作れていなくて外気がトップライトから逆流し、換気の役目を果たしていないケースも見受けられます。
     本解析では、2階から7階までの各階外壁に設けた開口から外気が建物内居室に導入され、熱負荷を帯びた空気が吹き抜けに集約されてトップライトに向けて上昇する様子が良く分かります。最上階は中性帯よりも上なので外壁開口から気流が外へ逆流するので、吹き抜け上部の温度の高い空気も影響で居室の温度が高くなるので機械空調での負荷処理が必要です。このような無風状態での自然換気解析は他社ソフトでは不可能であり、WindPerfectの独壇場です。

     

     

・解析の目的
 空調負荷を減らすためには、外気を積極的に建物内に循環させる自然換気が有効である。自然換気を効率的に行うために、最近エコボイド・エコシャフトなどの構造を基本設計段階で組み込むことが注目されている。外気を取り入れる開口の大きさと、それを設置する位置が適切でなければならない。本解析では、開口条件と換気状態の関連を検討するため、換気解析を行った。対象となる建物をモデル化し、建物の内部空間および外部空間を詳細に再現した。
・解析モデル
 2Fから7Fまでの建物各階の外壁に、給気のための開口(幅1.0m, 高さ0.2m)を複数設置し、建物ペントハウスに排気のための吹き抜けを設けた。建物内壁は、欄間開口を再現してある。モデルへの熱負荷については、人体、機器による発熱、熱貫流および日射条件を考慮した。建物の寸法は、平面32.0(m)×24.0(m), 高さ32.0(m) (7階相当)とし、格子数は、145×114×156=2,578,680である。

  • 解析モデル格子パース図

  • ・解析結果
     2Fから5Fまでの熱負荷については、吹き抜けに上昇流が発生しており、排気が可能である事が確認できる。6F及び7Fについては、換気シャフトの中世帯より上に位置するため、建物内部に蓄積した熱を十分排出することができず、四方に設けた開口から排気が逆流している事がわかる。これにより、6F及び7Fは機械換気を利用した空調が必要であると考えられる。
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