解析の詳細
図1 温度分布+速度ベクトル断面図
(左:Case1 コールドアイルキャッピング無、
右:Case2 コールドアイルキャッピング有)
図2 表面温度分布パース図
(左:Case1 コールドアイルキャッピング無、
右:Case2 コールドアイルキャッピング有)
データセンターの空調解析は建築設備系のシミュレーションで非常にニーズの高い旬の解析と言えます。CRAC (AHU) の冷気供給や床下空間の気流分布は適切か、各ラック毎のサーバー熱負荷は過不足なく処理されているか、アイルキャッピングはコールドアイルの冷気を十分保持できているか、高負荷サーバーや外気導入、水冷ラックなど最新のテクノロジーに対応した熱対策は施されているか、解析のテーマと重要性は時代のニーズによって大きく変化していますが、いずれも長年培ったシミュレーション技術で予測検討可能です。 本サンプル解析では、4つのラックを置いたサバールーム空間で簡単なコードアイルキャッピング設置の有無を比較し、気流状態についてアニメーションなどで理解いただける事を目指しました。 キャッピングの役割を正確にご理解いただ<けるのではと思います
・解析の目的
サーバールームやデータセンターでは多くのサーバーやIT機器があり、その安定的な稼動には発熱対策が不可欠である。 その対策として、サーバーラック背面の排気ファン側同士を向かい合わせ、主にラックからの排気を上方へ流す通路 (以下、ホットアイル) と、サーバーラック前面の給気側同士を向かい合わせ、主に床面からの冷気をサーバーラック内へ導入する通路 (以下、コールドアイル) を交互に配置し、効率的に排気できるようにしている。 しかし、サーバーラック上部において、機器からの高温の排熱を吸い込むこと (ショートサーキット) があるので、対策を検討し、コールドアイル上部に仕切り (以下、アイルキャッピング) の有無による、比較を行った。
・解析モデル
解析モデルの大きさは 23m×16m×3.8m とし、格子数は425,375とした。 室内は二重床とし、空調機を8台配置した。 サーバーラックはホットアイルとコールドアイルが形成されるように配置した。 発熱条件はサーバーの発熱のみで、総発熱量は440,000Wとした。 また、空調形式は、空調機下部より冷気を床下に吹き込み、空調機上部より吸い込む形式とした。 総風量を160,000m3/h、吹出し温度を17℃、設定室温を24℃とした。
ホットアイル / コールドアイル概念図
解析モデル図及びサーバー付近拡大図
・解析結果
床下からの空調空気が、コールドアイル側からラックに給気されホットアイル側へと排気されている様子がみられた (図1参照)。 Case1では、サーバーラック上部で、ショートサーキットの影響によってホットアイル側の排熱がコールドアイル側のラック前面から侵入したため、温度の高い領域がみられた (図1左, 図2左参照)。 Case2では、サーバー上部でのショートサーキットはみられなかった (図1右, 図2右参照)。
以上より、コールドアイルにおけるキャッピングは、ショートサーキットを防止することが可能であり、同時にコールドアイル内の温度の維持が可能となるので、サーバーラック上部での温度上昇の抑制に効果があると考えられる。
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