解析の詳細
- 温度コンタ―パース図
- 温度コンタ―パース図
- 温度コンタ―パース図
大空間の温熱環境設計では、空調空気だけに頼らず自然換気を期待して温度分布を快適に保つよう試行錯誤することも多いです。夏期・中間期では、日射や壁貫流により空間内の温度分布は、上にいくほど高く温度が成層化している場合が多いことが知られていますが実はそういう解析は空気の浮力評価に問題のある他社ソフトでは不可能です。一般に上部と下部に開口があれば、密度差対流が起きて高温の空気を建物外に排出する事が出来ます。WindPerfectDXでは、開口の大きさ・位置・開口率などがわかれば、そのまま換気風量を求める事も可能です。
本解析では、高天井空間を持つ空港施設建物について、夏季・無風時における自然換気解析を行っています。熱条件は、屋根面への日射による空間への熱侵入と、建物内の人体負荷及び照明負荷を考慮し、各外壁面には外気との壁貫流を割り当てています。開口については上部開口以外に風除室からの外気侵入と、建物端部での有圧扇による排風も考慮しています。
本解析では、特に内部空間に対する空調設備を設けないので、外気温(33℃)の条件で風除室近傍の空間では1~2℃の温度上昇に対して、その周辺の人が滞留する部位で5℃程度の温度上昇となっており、有圧扇による熱だまり空気の排風が十分でない事が分かります。これらの結果から、屋根最上部の開口をもっと広く取る、建物端部の有圧扇風量を増強するなどの対策が有効である事が判明しました。なお、外部空間に風を想定しての自然換気解析も可能です。
解析モデル格子パース図
本解析は、特に内部空間に対する空調設備を設けないケースであるが、外気温 (33℃) に対して風除室近傍の空間では1~2℃、両側の多数の人が滞留する端部の待ち合わせ空間で5℃程度の上昇となっている。中央部では屋根面の最上部にガラリがあり、排出する風量を大きく保つ事ができるが、両側の端部では有圧扇による熱だまり空気の排風が十分でない事がわかる。これらの結果から、屋根最上部の開口をもっと広くとったり、建物端部の有圧扇を増設するなどの対策をとることが有効である事がわかる。近年は外部空間に風を規定しての外部風の影響下での自然換気解析も可能であり、中間期での温熱環境評価も行っている。
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