解析の概要
断面温度分布+速度ベクトル
表面温度分布
某清掃工場:
清掃工場は、多数の吹き出し口、高温機器からの輻射、モニター等開口の扱いなど、自然換気問題の中でも最も難問に属する問題です。しかし予測を元に、空調換気装置の選定やガラリやモニターなどのサイズ・位置などを検討することで、より効果的な暑熱環境シミュレーションの実現が可能になります。
上記画像の説明
空間全体の温度分布を元に換気モニターの位置・大きさや局所空調を検討。ボイラー周辺や点検歩廊周辺の熱環境が大きく改善された。
解析の詳細
断面温度分布
表面風速ベクトル
表面温度分布
・解析の目的
清掃工場の自然換気シミュレーションは、数ある自然換気シミュレーションの中でも間違いなくその質とレベルにおいて最高峰に位置するものだと考えています。 30m近い建物高さという大きな空間、内部に配置された焼却炉やボイラーなどの数多くの高温機器の設定、低層階で外気を吸い込み頂部モニターで熱気を排出する2種換気システムの再現、各階に様々な向きと風量で設置される多くの吹き出しノズル、高温機器と内壁の間の輻射熱授受量の推算等々、非常に難しい条件設定作業を伴います。 躯体形状は、各階のコンクリート床やルーバー・エクスパンドメタルなど、内部上昇流を阻害するものは必ずモデル化しておかないと、機器周りの気流上昇速度が実態と合わなくなってきます。
弊社は今までに100件以上の清掃工場の自然換気解析にたずさわらせていただき、多くの貴重なノウハウを積み重ねてきました。 解析の主眼は、高温の建家内の各階換気風量の推定と点検歩廊周りの作業環境温度の検証にあります。 より効率の良い自然換気システムを構築するために気流数値シミュレーションが利用されていることを実感いただければと思います。
・解析の内容
建物及び内部の機器は形状や寸法・配置など出来るだけ詳細に再現する必要があります。これらは内部の気流抵抗に密接に関連しているので、いい加減な形状作成では気流状態をそもそも再現できません。 本件の解析規模は、221×139×137=4208503メッシュです(図1,2参照)。 ここでは高温機器周りとモニター・流入ガラリなど流れが乱れる箇所に格子を密にして解析モデルを構築しています。
図1 某清掃工場自然換気解析モデル パース
図2 解析モデル格子分割断面図
熱負荷の高い高温機器周りには大きな上昇流が生じます。 一昔前は清掃工場の熱対策と言えばスポット空調を山ほど設置して点検歩廊周辺の熱環境を改善するというものでした。 しかしそれでは余りに効率が悪いので、2種換気を利用して内部空間全体に上昇流を作り、それに乗せて高温機器の排熱も行うという考えに変わっています。 本解析では、できるだけ忠実に再現した解析モデルに詳細な熱条件を付与し、実態に近い気流及び温度分布状態の再現を行っています。 内部の発熱がモニターを通してスムースに排出されており上部の温度を体温+5℃以内に収めることに成功しています。
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