iPhoneを用いた空調解析

解析の詳細

    【解析結果】
    ・ケース1の空調から18℃の冷気が吹き出している様子が確認できる。 したがって、空調直下部の温度は低くなり(19℃程度)、それ以外の場所では23℃程度となっている。 それに比べて、ケース2の温度分布は、窓付近の温度は日射負荷の影響で高くなっているが、それ以外の範囲ではほぼ均一(25℃)になっている様子がみられる(図9、10参照)。
    ・室内の温度分布によって、気流分布も変化している様子がみられる(図11、12参照)。 それによって、飛沫の拡散状況も大きく異なることが確認できる(図15~図18参照)。
    本事例のようにiPhoneによって3Dスキャンした事務所の情報をWindPerfectに読み込み、気流・温度を考慮した空調解析を実施し、室内環境を確認することができた。 

     


    図9 同時表示_温度分布(ケース1)

     


    図10 同時表示_温度分布(ケース2)

     


    図11 同時表示_速度分布(ケース1)

     


    図12 同時表示_速度分布(ケース2)

     


    図13 温度等値面パース図(ケース1)

     


    図14 温度等値面パース図(ケース2)

     


    図15 飛沫拡散状況図_1(ケース1)

     


    図16 飛沫拡散状況図_1(ケース2)

     


    図17 飛沫拡散状況図_2(ケース1)

     


    図18 飛沫拡散状況図_2(ケース2)

・解析の目的
従来、解析のための形状は、CADソフトを使用、或いは、図面を見て作成するが、本解析事例では、iPhone13に搭載されたLiDARスキャナーを使ってある事務所を3Dスキャンして情報を、WindPerfectに読み込み、それをモデルとして解析を行った。 本解析事例では、夏季において、異なった吹出温度を設定する場合の室内の温熱環境、および飛沫の拡散状況を確認することを目的とする。
・解析の内容
【解析モデル・解析条件】
解析モデル・条件は以下の通りである(図1~8参照)。
(解析空間の大きさ・総格子数) 16m×9.5m×2.7m、1,477,500分割
(解析ケース)
ケース1: 空調吹出温度 18℃
ケース2: 空調吹出温度 24℃
(解析条件)
・外気温度:32.4℃
・室内条件:初期温度26℃
・室内の発熱条件:
照明発熱900W
人体発熱660W(55W/人で12人想定)
OA機器発熱960W(80W/台で12台想定)
貫流負荷:床・天井・壁3.5W/(㎡・K)、窓ガラス5.9W/(㎡・K)
・空調:風量3600m3/h(1台あたり)、吹き出し温度18℃、24℃とした。
・計算時間600秒

  • 図1 iPhoneで3Dスキャン

  • 図2 WindPerfectに読み込んでモデル化

  • 図3 外壁・内壁・床・天井貫流負荷設定位置

  • 図4 照明発熱負荷設定位置

  • 図5 日射負荷設定位置

  • 図6 OA機器発熱負荷設定位置

  • 図7 人体発熱負荷設定位置

  • 図8 空調設定位置
  • ・お問い合わせ

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