空調:冷凍倉庫内空調解析

解析の詳細

  • 温度分布+速度ベクトル断面図

  • 表面温度分布パース図

  • 温度等値面(ボリュームレンダリング)パース図

・解析の目的
 空調解析は、従来アトリウムやドームなどの大空間で行われてきたが、最近では特殊な空間にも適用される事が増えてきた。自動倉庫、クリーンルーム、 床下空調、ディスプレースメント、食品工場などであるが、それぞれで満足すべき空調性能が厳しいものが多く、設備仕様の設定が困難である。本解析では、自動搬送機を備えた冷凍庫の例を挙げ、空調解析を実施した。
・解析モデル
 本解析では、躯体の大きさは普通であるが、空調空気の循環状態を知るために、倉庫内に存在する多数の荷の位置・大きさを実物に即して正確に再現する必要がある。格子数は、135×55×92=683,100である。躯体形状ばかりでなく、荷のすき間やラックや構造も詳細に作り込んでいる。冷気は空調機からダクトで天井に取りまわされ、倉庫空間内に均一に冷気を降らせる構造となっているが、そのような条件もここのノズル1個毎に再現されている各壁面の熱貫流も、各部位ごとに熱貫流率や隣室外気温を設定していて熱収支計算どおりの解析を実現している 。

  • 解析モデル格子パース図
  • ・解析結果
     本物件での主な熱の進入経路は、天井面や外壁面からの熱貫流と、自動搬送システム搬入口からのすきま風である。内部での熱発生は、自動搬送機の駆動モーターからの発熱を考慮している。
     冷気は、天井ダクトを通してラック最上部から倉庫内の空間に供給されるが、外壁面からの熱の進入に対して適正に風量が配分されていおらず、荷のすき間での流動抵抗によりラック内では空気がよどみやすい。このため、壁面近傍では目標温度(25℃)に比較してかなり温度が上昇している部位がある。これは、断面温度分布図や躯体・荷の表面温度分布から理解できる。
     また、空調機が自動搬送システムの搬入口付近にしか設置できないので、空気の流動がかなり偏っていて主な冷気は空間中央を通ることがわかる。この様子は、温度のボリュームレンダリング(三次元等値面) 図からわかる。
     本解析からは、空調設備の改善をするだけではなく、荷を所定の温度に保つためにどのように配置すれば良いか、クライアントに提言する事も可能である事がわかる。
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