解析の詳細
【解析結果】
非常に単純な構造なのに、くぼみの上下から風が出て、中心で合流して前方に風を送ります。 風を送る角度は、くぼみの丸いスライド板を動かす事により多少の調整が効く構造になっていて、何ともよく出来ています。
図2 気流分布断面図
図3 粒子軌跡図(色は流速)
1つクイズです。 合流した吹出し気流は、丸いヘッドの幾何中心に沿って 飛ばず、かなり前方に傾いた方向に飛びます。 これは何故か分かる方は居ま すか? 単純な流体力学の問題です。 重力のせいとかコアンダ効果のせいとか言うのは不正解です。正解は内部の吹出しと球体ヘッドの吐出口の距離の関係にあります。
図4 気流がヘッドの吐出口下端から流出
内部吹き出し空気が吐出口下端に到達
図5 気流がヘッドの吐出口上端から流出
次に内部吹き出し空気が吐出口上端に到達
図6 気流が上下の吐出口からの気流が合流
吐出口上端の方が下端より風量が多いため、合流した気流は幾何中心より下方に飛ぶ
・解析の目的
ダイソン社から新しい空気清浄機が出ています。 誘引流を利用した羽の無 い扇風機が発売された時も驚きましたが、実際に買ってみてその風量にあらためてびっくりしました。
この空気清浄機は特異な外観をしています。 円筒の上に丸い大きなヘッドが有り、そのヘッドのくぼんだ所から風が出て、なんと驚くことにそれが前方に飛 びます。 よく観察すると、くぼんだ所の上下に吹出し口が有り、そこから中 心に向かって出た風が合流して前方に飛ぶのが分かります。
さて、この空気清浄機の特異な気流を、CFD(計算流体力学)で再現出来るでしょうか?
・解析の内容
その空気清浄機の解析をやってみました。 製品を実際に測って外観通りにモデルを作成し、内部に吹き出し条件を設定してと言う事で、3時間で作成作業は完了しました。 モデルはGenesysでSTLデータを作りました。 特徴的な大きくて丸いヘッドは、実物通り約30°傾かせます。 格子数は大きく取ったので、計算時間はそれなりに掛かります。 風速境界条件は、合流した吹出し気流が1~2m/secになるよう適当に調整しました。
図1 解析モデル概観
図1 解析モデル概観
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