風環境:某所風環境解析(防風林の効果)

解析の概要

速度ベクトル+速度分布パース図(防風林なし)

速度ベクトル+速度分布パース図(防風林あり)

【某所風環境解析(防風林の効果)】

 臨海街区では、海風による塩害・潮風害から防ぐために防風林や緑地帯を設ける地区がみられる。防風林の設置計画において、計画の初期段階で検討することが重要であるが、その有効性を把握する事は難しい。

 

【上記画像の説明】

 両ケースを比較すると、海側に設置した防風林の効果によって、街区に流入する風が弱まることが確認できる。

解析の詳細

     


    図4 速度ベクトル+速度分布パース図(防風林なし)

     


    図5 速度ベクトル+速度分布パース図(防風林あり)

     


    図6 速度ベクトルパース図(ベクトル着色表示:防風林なし)

     


    図7 速度ベクトルパース図(ベクトル着色表示:防風林あり)

     


    図8 流線パース図(防風林なし)

     


    図9 流線パース図(防風林あり)

     

    【解析結果】
     両ケース共に、海側である南西側から街区へ風向南西の風が流入する様子がみられる。両ケースを比較すると、海側に設置した防風林の効果によって、街区に流入する風が弱まることが確認できる。このことから、防風林を設置することの有効性を確認できる。
     本解析事例のように、WindPerfect2015_E2を利用して、街区における防風林をはじめとする植栽計画を事前に検討可能であることが確認できた。

・解析の目的
 臨海街区では、海風による塩害・潮風害から防ぐために防風林や緑地帯を設ける地区がみられる。防風林の設置計画において、計画の初期段階で検討することが重要であるが、その有効性を計画前に把握することは難しい。本解析事例では、防風林の設置計画にあたって、WindPerfect2015_E2を利用して、ある臨海街区で、海風が街区に向かって吹く際の防風林設置の有無による比較を行い、その有効性について検討することを目的とする。
・解析の内容
 解析空間のサイズは800m×800m×150m、格子数は402×402×44=7,110,576としている。 計画地近傍では格子間隔を細かくすることによって、より詳細な風速分布が把握できるよう考慮している。解析モデルの南西、南側には海があることを想定し、地盤面高さよりを低くすることで海面を再現している。

  • 図1 解析モデル図(防風林なし)


  • 図2 解析モデル図(防風林あり)

  • 【解析条件】
     風向は、解析モデルの海側が風上となる南西としている(図1、図2参照)。計画地近傍にある気象データ(気象庁アメダスデータ)の集計値を元に風速を決定し、べき乗則に従って風速条件を設定している。なお、基準風速(U0)は基準高さ(H0)15mで風速3.18m/secである。  ケース2では、海からの風の流入を防ぐための防風林を配置している(図1参照)。防風林の設置にあたっては、WindPerfect2015_E2内にある植栽パーツを用いることで再現する。
    (1)解析ケース
        【ケース1】 風向:南西,植栽なし
        【ケース2】 風向:南西,植栽あり
    (2)植栽の設定(ケース2のみ)
        ・植栽高さ: 8m

  • 図3 高さ方向の平均風速分布
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