解析の詳細
【解析結果】
e-flowでの計算結果を次に示す。 偏瑶角(車体の風向に対する傾き)は0°である。
図6.偏瑶角0° 風速分布 右・垂直断面分布 左:水平断面分布
図7.偏瑶角0° 風圧分布 右・垂直断面分布 左:水平断面分布
別途行った偏瑶角20の解析結果を次に示す。
図8.偏瑶角20° 風速分布 右・垂直断面分布 左:水平断面分布
図9.偏瑶角20° 風圧分布 右・垂直断面分布 左:水平断面分布
【まとめ】
・ブラインドベンチマーク(風洞実験結果を一切知らされず解析)と言う試みにも関わらず、 多くのソフトウェアで比較的良好な結果が得られた。
・メッシュについては、標準メッシュを用意したが、ほとんどのソフトで独自のメッシュが 用いられた。
・ボディ上面や側面に関しては、圧力分布や表面流線など。流れ場をよく再現できることが わかった。
・背面の圧力分布に関しては、特にサイドエッジ、あるいは下端において実験との差が見ら れた。
・空力系数、特にCd値とCs値は、比較的良い精度で算出された。
・偏揺角0°と20°の相対的な変化量についても。概ね良好な一致が見られ、実験と傾向が 逆転するようなことはなかった。(以上、豊田中研 堀之内氏[当時])。
上面圧力分布では、e-flow(白線)は風洞実験と良い一致を見た。
図10.各社の解析結果の比較 偏揺角0°ボディ上面の圧力分布 中心断面
側面圧力分布でも、やはりe-flow(白線)は風洞実験と良い一致を見た。
図11.各社の解析結果の比較 偏揺角0°ボディ側面の圧力分布
e-flowは側面値ではかなり実験値に近い。
図12.各社の解析結果の比較 偏揺角0°ボディ背面の圧力分布 中心断面
表4 各CFDソフトウェアの計算時間
スパコン・ワークステーション・PCと高速なコンピュータも使われている中で、e-flowの計算の速さは、当時の他のCFDソフトウェアと比べて抜きん出ている事が分かる。
・解析の目的
2006年自動車技術会CFD技術委員会主催のCFDベンチマークテストに参加し車体周りの風圧解析を行った。解析モデル形状は、自動車技術会から提供されたCADデータに準拠した(下図参照)。 風洞実験は東海大で行われた。
図1.風洞実験用車体模型概観
図1.風洞実験用車体模型概観
・解析の内容
図2.風洞実験用車体模型装置概観と解析条件
<解析モデル>
弊社は自社CFDソフトウェア「e-flow」で解析を行った。 作成した解析モデルの概要は次のようである。
解析規模
・節点数 : 188x104x90 = 1759680
・最小格子間隔 : 5mm
離散化の特徴
・構造格子コントロールボリューム法
・SuperCartesian法 (CutCellの発展法)
図3.解析モデルパース図(全景)
図4.解析モデルパース拡大 上:前方から俯瞰 下:後方から俯瞰
ベンチマークテストに参加したソフトウェアベンダーと解析ソフトウェアは次のようであった。
表1 CFDベンチマーク参加ソフトベンダーとソフトウェア
ソフトウェアベンダーが本ベンチマークテストで作成した解析モデルの概要を次に示す。
表2 各ソフトベンダーの作成した解析モデルの概要
各ベンダーの解析モデル等をを次に示すが、問題へのアプローチ法は実に様々である。
図5.各ソフトウェアベンダーが作成した解析モデル(抜粋)
表3 各ソフトベンダーの使用した乱流モデルと離散化スキーム
・Esperanza,Nagare,e-flowは乱流モデルを使用していない。 いずれも非定常計算。 CFDの世界では、乱流モデルが無いのは珍しい事ではない。
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