解析の概要
断面温度分布
表面風速分布と冷却塔熱排気
冷却塔ショートサーキット解析
夏季においては建物と熱排気施設との位置的関係によっては、排気がそのまま吸い込まれてショートサーキットを起こし、熱交換効率が著しく低下する場合があります。そのような状況を回避するため、熱排気の位置関係を最適化する事が重要です。
上記画像の説明
建物後流側に冷却塔群を設置しているため、大きな渦流が発生しショートサーキットを起こします。邪魔板設置等による対策が有効です。
解析の詳細
風速分布+ベクトル図 [風向きNW]
ボリュームレンダリング図(38℃)
[風向NW]
風速分布+ベクトル図 [風向きSE]
ボリュームレンダリング図(38℃)
[風向SE]
高層ビルでに冷却塔・チラーをどこに付設するかは昔からの古くて新しい問題です。
冷却塔・チラーは空気を吸い込みやすい開放空間で稼動するよう設計されているのに、意匠デザイナーや施主さんなどの景観上好ましくないという意向で、いろいろなものに囲われたりピットの中に設置されるケースが大半です。周囲の空間が狭い悪条件で冷却塔を正常に動かす事を要求される設備屋さんは大変です。本解析の場合では、複数の冷却塔が5階レベルに設置されているのですが、夏季に頻度の高い風向に対しこのケースの場合は冷却塔の設置場所が後流渦(Wake)の中に入ってしまう関係で、冷却塔の一部はショートサーキットを起こします。すなわち冷却塔が自身の暑い排気を吸い込んでしまい、極端に冷却効率が悪くなってビル内の空調機器に冷気を供給できなくなります。対策としては、邪魔板を設置して冷却塔自身の暑い排気を吸い込まないようにした事でこのケースは難を逃れましたが、ろくな検討もされず冷却塔を設置してエネルギー的なムダを余儀なくされているビルは多いと言えます。また、週辺に高層ビルが立った事により冷却塔の稼働条件が悪化した事例もありますが、このような場合もCFDによる熱気流解析による検討は非常に有効です。
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