解析の詳細
体育館空調 断面温度分布図 60sec
体育館空調 断面温度分布図 180sec
体育館空調 断面温度分布図 360sec
体育館空調 断面温度分布図 600sec
体育館空調 断面風速分布図 180sec
体育館空調 表面温度分布図 180sec
粒子軌跡体育館空調図
・解析の目的
大空間での空調立ち上がり時の検討は、重要であるとの認識は今まであったものの、手法の不備や工数の面から見送られることが多かった。 ここでは、体育館の夏季空調立ち上がり時を題材にして、実際に空間内でどのような風速・温度状態になっているのか再現した。
・解析モデル
本解析では、体育館内の段床部とアリーナ部を含む空間をモデル化した。 解析格子数は、125×178×50=1188720で、計算時間は3時間程度である。
段床上部に空調吹き出しを設け、冷気を空間内に供給する。 吸い込みはアリーナ床部の端部に配置した。 夏季を想定して外気温33.4℃とし、各外壁面には熱貫流条件、屋根部には相当温度差で日射熱負荷条件も考慮している。 段床部・アリーナ部の人体負荷、アリーナ上部の照明負荷等も考慮している。
今回解析は空調立ち上がり時の表現を行うので、非定常解析を陽解法で行った。
体育館空調 解析モデル図
体育館空調 解析モデル図
・解析結果
段床上部の吹出しから出た冷気は、観客の居る段床部を通過した後、アリーナ部へ落ちていく。 吹出し空気は、渦を巻いて寒冷前線のように空間内の熱気を押しのけて前進するとともに、周囲の空気と混合して冷却される領域が徐々に増加する様子が分かる。 同時に屋根面の日射負荷の影響で、上部の温度上昇が徐々に起こり始める事が一連のアニメーションで理解できる。
時間経過とともに、アリーナ床部に滞留する冷気と上部空間の温度上昇が繋がって、空間内には大きな温度成層が生じる。 本解析では、段床部・アリーナ部とともに居住域で25~26℃程度の温度分布を形成する事が出来ている。 アリーナ部は全体が冷えるまでの時間差があるが、段床部は空調の開始からごく早い時期に快適な温度に到達していることも分かる。
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