解析の詳細
- 温度分布+速度ベクトルパース図
- 温度分布+速度ベクトル断面図 (X断面)
- 数値付き温度分布コンター断面図 (X断面)
- 温度分布コンターパース図(Z平面アリーナ居住域, 表示 : 30~40℃)
居住域平面における温度の広がりが理解できる。 大型映像のある側 (左側) では、比較的温度が高い。 - 躯体表面温度分布パース図(表示 : 30~40℃)
各断面表示ではわからないスタンド部、アリーナ部のそれぞれの温度分布が比較評価できる。 - 温度等値面 (ボリュームレンダリング)分布図 (温度 : 32℃)
スタンド上方及びプール水面を中心とした、比較的温度の低いゾーンの空間的広がりがわかる。
・解析の目的
大空間の温度分布は、小規模の空間に比較して乱れやすい。 これは一般的に大空間の方が、壁貫流や発熱負荷が不均一になりやすいのに対して、空調空気が居住域に回りにくいためである。 最近の空調解析では、躯体の三次元的な形状や吹出し・吸込み空気の挙動、および各熱負荷など、実際の物件を忠実に模擬できるようになってきている。本解析では、温水プールを対象に、円形屋根ガラス面のコールドドラフトが問題となる暖房時の空調解析を行った。
・解析モデル
本解析では、空間内の気流の挙動の予測が事前につかなかったので、解析モデルの格子分割は、空間全体にわたってできるだけ均一にした。 格子数は、82×74×34=206,312と現在では比較的小規模な解析であるが、メインスタンドや競泳プール・飛込みプールなどは、モデルとして作り込まれている。空調は天井面近くのノズルと、メインスタンド上部のポストからの吹出しをメインとして、アリーナ床面のペリメータ付近でのコンベクタからも暖気を空間内に供給する。
解析モデル格子パース図
解析モデル格子パース図
・解析結果
このような冬季の空調解析では、温熱環境が均一になる事もそうだが、屋根ガラス面のコールドドラフトの解消も大きな目的である。本解析では完全なコールドドラフトの解消が目的ではなく、コールドドラフトの落下位置がアリーナ床面ではなく、プール水面となるように、空調を制御している。その結果、大きな流れ場の乱れもなく、スタンド部でもアリーナ部でも快適な環境が維持できている。
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