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建築学会講演発表(2016年8月)
平成28年8月24日から8月26日にかけて福岡大学七隈キャンパスにて行われた2016年度日本建築学会大会(九州)にて弊社が発表した講演をご案内します。
津波発生時の漂流物による被害軽減対策として、有事の際にワイヤーを海面に巻き上げる形式の停止柵装置による、船舶等の浮遊停止技術を検討しました。小規模な港湾を想定して解析モデルを作成し、数値解析にはVOF法による3次元シミュレーション技法を用いて、入力波は波高8mでFr数1.5としてシミュレーションを実施しました。 押し波時のシミュレーションでは、停止柵無しの場合は湾内に位置した船舶群は、押し波により更に湾内奥に浮遊しますが、その浮遊軌跡はまちまちでありましたが最終的には陸上に遡上しました。
これに対し、停止柵を所定の位置に設けた場合には、柵の近傍の位置でほとんどの船舶の浮遊が停止しました。
柵の有効な位置は、こうしたシミュレーションにより予測出来できます。また、自由落下条件で引き波時の船舶浮遊のシミュレーションを実施しました。
船舶群は徐々に加速し湾内を浮遊しました。停止柵を設けた場合には、各船舶がどの位置で停止するかなどの挙動が予測できます。
停止柵に関わる基本設置条件及び運用条件を、今後シミュレーションや実験で検討し実用化を進めたいと考えております。
物体の移動の際に、物体そのものの移動に伴い、熱・濃度も移動します。いずれも、考慮すべき重要な要素です。本発表では、これらの要素を加味したケーススタディ(人体歩行、車両走行、造波実験における濃度移流拡散)を実施し、報告させて頂きました。人体歩行では、四肢を動かすことで、熱拡散が顕著になることが確認できました。 車両走行では、車両からの発熱が走行する空間内の換気状況によって、熱の拡散や車両周辺の温度状況が異なることが確認できました。造波実験では、造波パッドの場合は濃度が波の発生源に止まり、段波の場合では波の動きに合わせて濃度が拡散していく様子が確認できました。いずれのケーススタディからは、一部を除いて実現象に近い妥当な結果が得られた大変意義の大きい発表であったと、自負しております。今後の展望としては、解析事例の蓄積、輻射・結露・相変化などマルチフィジックスへの応用を考えております。
数値シミュレーションを津波現象に適用した場合、どの程度水理実験の結果と一致するのでしょうか。まだこのような検証の例は少ないことが現状ですが、水理実験との整合性を確認することができたなら、数値シミュレーションの適用範囲は大幅に広がります。今年度の建築学会の発表では下記3つの検証シミュレーションを行い、水理実験データとの整合性について報告致しました。
①通過波検定
水理実験装置の解析モデル、入力波を解析上で再現し、時間変化する波高のデータを比較しました。
その結果、複数の測定地点で実験値とよく一致する様子がみられました。
②連立柱波力シミュレーション
支柱をそれぞれ1本、4本(横2本×縦2本)、9本(横3本×縦3本)並べた場合の数値シミュレーションを行い、合計波力のデータを比較しました。その結果、実験値に近い数値が得られました。
③通常グリッドと大規模グリッドとの結果比較
通常規模のグリッド(500万メッシュ)と大規模のグリッド(5000万メッシュ)の解析結果を比較しました。
その結果、波高と波力の値が大きく変わらないことを確認し、検証に使用している通常規模のグリッドで結果を担保できることを確認しました。これらの検証は基準整備促進事業において実施され、数値シミュレーションの有用性を確認することに貢献致しました。
< 浮遊漂流物の移動を阻止するシステムの検討-津波漂流物の停止柵によるシミュレーション- >
津波発生時の漂流物による被害軽減対策として、有事の際にワイヤーを海面に巻き上げる形式の停止柵装置による、船舶等の浮遊停止技術を検討しました。小規模な港湾を想定して解析モデルを作成し、数値解析にはVOF法による3次元シミュレーション技法を用いて、入力波は波高8mでFr数1.5としてシミュレーションを実施しました。 押し波時のシミュレーションでは、停止柵無しの場合は湾内に位置した船舶群は、押し波により更に湾内奥に浮遊しますが、その浮遊軌跡はまちまちでありましたが最終的には陸上に遡上しました。
これに対し、停止柵を所定の位置に設けた場合には、柵の近傍の位置でほとんどの船舶の浮遊が停止しました。
柵の有効な位置は、こうしたシミュレーションにより予測出来できます。また、自由落下条件で引き波時の船舶浮遊のシミュレーションを実施しました。
船舶群は徐々に加速し湾内を浮遊しました。停止柵を設けた場合には、各船舶がどの位置で停止するかなどの挙動が予測できます。
停止柵に関わる基本設置条件及び運用条件を、今後シミュレーションや実験で検討し実用化を進めたいと考えております。
< 熱・濃度の移流拡散を伴う移動物体周りのCFD>
物体の移動の際に、物体そのものの移動に伴い、熱・濃度も移動します。いずれも、考慮すべき重要な要素です。本発表では、これらの要素を加味したケーススタディ(人体歩行、車両走行、造波実験における濃度移流拡散)を実施し、報告させて頂きました。人体歩行では、四肢を動かすことで、熱拡散が顕著になることが確認できました。 車両走行では、車両からの発熱が走行する空間内の換気状況によって、熱の拡散や車両周辺の温度状況が異なることが確認できました。造波実験では、造波パッドの場合は濃度が波の発生源に止まり、段波の場合では波の動きに合わせて濃度が拡散していく様子が確認できました。いずれのケーススタディからは、一部を除いて実現象に近い妥当な結果が得られた大変意義の大きい発表であったと、自負しております。今後の展望としては、解析事例の蓄積、輻射・結露・相変化などマルチフィジックスへの応用を考えております。
< 建築物に作用する津波のシミュレーション その8 水理実験との整合性検証>
数値シミュレーションを津波現象に適用した場合、どの程度水理実験の結果と一致するのでしょうか。まだこのような検証の例は少ないことが現状ですが、水理実験との整合性を確認することができたなら、数値シミュレーションの適用範囲は大幅に広がります。今年度の建築学会の発表では下記3つの検証シミュレーションを行い、水理実験データとの整合性について報告致しました。
①通過波検定
水理実験装置の解析モデル、入力波を解析上で再現し、時間変化する波高のデータを比較しました。
その結果、複数の測定地点で実験値とよく一致する様子がみられました。
②連立柱波力シミュレーション
支柱をそれぞれ1本、4本(横2本×縦2本)、9本(横3本×縦3本)並べた場合の数値シミュレーションを行い、合計波力のデータを比較しました。その結果、実験値に近い数値が得られました。
③通常グリッドと大規模グリッドとの結果比較
通常規模のグリッド(500万メッシュ)と大規模のグリッド(5000万メッシュ)の解析結果を比較しました。
その結果、波高と波力の値が大きく変わらないことを確認し、検証に使用している通常規模のグリッドで結果を担保できることを確認しました。これらの検証は基準整備促進事業において実施され、数値シミュレーションの有用性を確認することに貢献致しました。
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