１＋２のセット研修は、9時半～17時（お昼休憩１時間）の研修を２日間のZOOMを使ったWEB研修です。研修は講義のあと、演習問題があり、各自で考えたり、グループに分かれてディスカッションを行うという形で進みます。つまり、一方的に学ぶのではなく、学んだ内容について、自ら考えたり発表したりするような研修となっています。この方式は受講した方々には好評です。１＋２の研修を受けると、３のオンデマンド研修を受けることができます。

　４の研修は、それぞれ9時～17時半（お昼休憩１時間）の１日かけて行われます。研修は１＋２のセット研修と同じように、講義の後に、グループディスカッションによる演習があります。また、４の研修を受けると、同じように５のオンデマンド研修を受けることができます。

　ISO19650-3　資産の運用フェーズの日本語での研修はまだ開催されていません。英国では、このコースはあるのですが、日本では建物の運用段階での規格認証取得に取り組んでみようとする企業がまだないために、まだ、この研修は日本語対応できていません。今後そういったニーズが高まってくれば、日本での研修も開催できるようになるかもしれません。もしこのコースを受講したい場合には、英語で研修に参加して頂くことになります。

では、それぞれの研修についての概要をご説明します。

１　BIM基本研修
　対象規格　ISO19650-1 概念及び原則

ISO19650に準拠しているBIMとは何かを知る
ISO19650で使われる用語や考え方を知る
発注組織の情報要求事項（OIR・AIR・PIR）を理解する
情報デリバリーのサイクルについての考え方を知る
ISO19650で定義されている共通データ環境（CDE）を理解する

　この内容はISO19650すべての概念と原則となる部分です。まず最初に受けるのはこの研修です。


２　BIM ISO19650パート2 プロジェクトデリバリー研修
　対象規格　ISO19650-2 資産のデリバリーフェーズ

設計・施工段階における情報マネジメントの考え方を知る
ISO19650-2の５章１（評価ニーズ）～８（プロジェクトの終結）までの流れを理解する
調達段階（入札案内・応札）と、そこで要求されるEIRや能力容量表などを理解する
計画策定段階（受託・動員）と、そこで要求されるBEPやTIDP・MIDPなどを理解する
情報生産段階（情報の協働生産・情報モデルの納入）について理解する
ISO19650‐2を実施するための、それぞれの役割（発注組織・元請受託組織・受託組織）を理解する

　この研修で、ISO19650-2の設計・施工段階の情報マネジメントがどのようなものかを理解できます。


4　BIM ISO19659パート5 セキュリティ及びBIM研修
　対象規格　ISO19650-5 情報マネジメントに対するセキュリティ志向のアプローチ

建設プロジェクト（設計・施工・運用）における情報セキュリティの必要性
ISO19650‐5とISO27001（ISMS）の違い
情報マネジメントにおけるセキュリティ志向のアプローチとは何か？
重要性アセスメントプロセスを理解する
セキュリティ戦略の開発について理解する
セキュリティマネジメント計画を学ぶ
セキュリティに対して受託組織との協働をどう行うかを理解する
ISO19650-2の情報マネジメントの中で、ISO19650-5セキュリティ志向のアプローチをどう適応するかを知る

　BIMに取り組まれている皆様で、情報セキュリティに対して真摯に取り組まれている方は少ないと思います。従って用語や考え方など、専門的なものもありますが、建物のプロジェクトに対して、どのように情報セキュリティに取り組むべきなのかという視点で、BIMには必ず必要となる考え方です。


　BSIジャパンの研修については、BSIジャパンのホームページの「BIM&ISO19650研修」をご参照ください。
＜ https://www.bsigroup.com/ja-JP/our-services/training-courses/BIM-training-courses/＞

　今回は、BSIジャパンのISO19650の研修について説明しました。この研修と連動して取得できる、BSIのISO19650の資格制度については、次回説明したいと思います。