解析の詳細
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図1 では避難ビルに津波が当たった時点の自由表面の状態が表されています。 図2 はビル表面の流速・圧力分布です。
窓開口が無い場合には、建物前面で流れが減衰し低層部で大きな波圧が発生する事が確認できます。 窓開口有りでは全体的に流速も圧力も分散している様子が分かります。 水平荷重の時間推移では(図3)、衝撃段波波圧や最大重複波圧が既存の測定例のとおり再現されているのが確認されました。
図4 には建築物の前面の開口面積比と最大津波力との関係を示しました。 点線は開口部がない場合(開口面積比0%)を最大として線形的な低減を示しますが、本技法での荷重のシミュレーション結果もほぼ同じ点線上にあることが分かります。
図5 には、浸水深 2m,波の速度 4.7m/sec(Fr 数 1.5)の場合の異なる高さで求めた建物前面水平荷重の時間推移について示しました。
衝撃段波波圧発生時(左上グラフ)には、建物低層部に集中的に高い荷重が働いている事が分かります。
津波の建物衝突からやや時間の経過した最大重複波圧発生時(右上グラフ及び右下グラフ)には、建物前面には鉛直方向に線型の分布を持つ荷重が働くことが見てとれます。 この傾向は建物の浸水深
3 倍に比例するライン(グラフ中、赤点線)に沿っており、これは得られた荷重が朝倉の式 7)に一致する事を示しています。
図1衝撃波波圧発生時の海面形状
図2衝撃段波波圧発生時の表面流速・圧力分布
図3水平荷重の時間変化
図4開口率による荷重の変化
図5高さ毎の建物前面津波荷重の時間推移
・解析の目的
東日本大震災がによる大津波を契機に、高波高の大規模な遡上波が持つ衝撃力の大きさを定量的に評価検討する事が喫緊の課題として求められています。建築物・構造物の耐力検討のため VOF 法をベースとしたフル 3 次 元自由表面流シミュレーション技法を津波の解析に応用し、ここではその概要と応用例について示します。
・解析の内容
沿岸から陸上への遡上波をフル3次元で解き、浸水域と建築構造物に作用する津波力の評価しました。
シミュレーションに使用した技法は次の通りです。
基礎方程式:NS 方程式,連続の式,VOF 移流方程式 5) 空間の離散化:不等間隔格子(最小格子間隔 0.5m)時間の離散化:SMAC 法 移流項:Hybrid 中心差分 乱流モデル:直接シミュレーション(DNS) 自由表面補足:VOF 法と密度関数法を併用 6) 初期条件:浸水深・ Fr 数を仮定し流速を設定
定量的に津波荷重の評価が可能か検証するために、3 階建て避難ビル(軒高 11m)について海岸際にビルが立地している仮定での解析を行いました。 解析空間の大きさは 400m×160m×60m です。
シミュレーションに使用した技法は次の通りです。
基礎方程式:NS 方程式,連続の式,VOF 移流方程式 5) 空間の離散化:不等間隔格子(最小格子間隔 0.5m)時間の離散化:SMAC 法 移流項:Hybrid 中心差分 乱流モデル:直接シミュレーション(DNS) 自由表面補足:VOF 法と密度関数法を併用 6) 初期条件:浸水深・ Fr 数を仮定し流速を設定
定量的に津波荷重の評価が可能か検証するために、3 階建て避難ビル(軒高 11m)について海岸際にビルが立地している仮定での解析を行いました。 解析空間の大きさは 400m×160m×60m です。
参考PDF
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